元 Quantum Fund 運用責任者で現 Duquesne Family Office を率いるスタンレー・ドラッケンミラーが、2026年の Morgan Stanley “Hard Lessons” シリーズに出演した。Iliana Bouzali(Duquesne の現役パートナー)との対話形式で、これからの3-4年の投資環境を語っている。
“向こう3-4年は本当にワクワクする”
ドラッケンミラーの第一声は意外なほどポジティブ:
Drukenmiller: 巨大な分断と巨大な変化が前にある。向こう3-4年の機会に本当にワクワクしている。
「変化」の中身は、(1) AI と GPU を中心とした技術ディスラプション、(2) 通貨秩序の再編、(3) コモディティの構造的供給逼迫、の3点。これらが同時に動くことで、過去40年とは異なるリスク・リターン環境が生まれる、というのがドラッケンミラーの読み。
AI への “気持ち悪さ”
ドラッケンミラーは AI 銘柄を一度大量保有した(NVIDIA、Palantir等)あと、ポジションを大幅縮小した経緯がある。
Drukenmiller: AI銘柄は disturbingly heated(不安になるほど過熱)だった。
理由は単純で、1999-2000年のドットコムバブル時に痛い目に遭った経験から、過熱の早期サインに敏感になっているため。ただし「AI そのものを否定しているわけではない」とも明言しており、現在は Amazon・Meta・Alphabet など他の AI 関連銘柄にローテーションしている。
米国株 + ドル空売り=コンビネーション
ドラッケンミラーの 2026年のシグネチャー・トレードは:
米国株は買う(経済は底堅い、財政・金融政策ともに支援的)
+
ドルは下がる(外国人の米国債保有意欲低下、貿易赤字、利下げ織り込み)
=
ドル下落をヘッジする資産を併せて保有:
- 銅(産業需要 + 通貨価値下落の二重ヘッジ)
- ゴールド(地政学ヘッジ)
- 日本株・韓国株(米国比で割安)
特に銅への強気は、AI データセンターの電力需要急増という具体的な需要要因と結びついている。短期トレードではなく「構造的ロング」のポジション。
“Contrarianism is overrated”
ドラッケンミラーが Iliana に語ったもう一つの教訓:
Drukenmiller: 逆張りは過大評価されている。
ソロス時代から共有してきた考え方として、「多数派の見解は80%は正しい。残りの20%に巻き込まれないようにすればいい」というスタンスを再確認している。トレンドに乗ることを恥じず、ただしトレンドの転換点だけ捉える、というアプローチ。
Voicestack の視点
ドラッケンミラーの注目すべき特徴は、マクロを微視と接続していること。AI バブル懸念(ミクロ)は通貨秩序の再編(マクロ)と結びつき、銅ロング(ミクロ)はドル下落(マクロ)から導かれる。これは Voicestack のコアコンセプト「マクロ×ミクロ統合」と完全に整合する。
過去のドラッケンミラーは、決定的な転換点でポジションを大きく動かしてきた(1987年のクラッシュ、1992年のポンド危機、2008年のリーマン直前など)。2026年に「向こう3-4年に巨大な変化」と語っているのは、何かが起きる可能性が高い局面にあることを示している。
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